余市川に鮭が遡上しています。【余市町】
余市川に鮭が遡上しています。【北海道TAXIトラベル(株)】
余市川、7月8月、北海道では数少ない、アユの釣れる川として知られています。
只今は、鮭が遡上しています。
鮭の一生、鮭が故郷の川に戻ってくる姿は、感動的なドラマですが、このような性質を利用して、今では人工ふ化養殖が、盛んに行われるようになって来ました。
鮭は、日本人と縁が深い魚で、とくに、アイヌの人達は、「カムイチェップ=神の魚」と呼んで、天からの恵みとして大切にしました。
日本から旅立った鮭は、遠くアラスカ付近の、北太平洋で3年から5年、回遊生活を送り、4~5月にはベーリング海をぬけ、産卵するために南下します。
7月~8月には、千島列島を通って、9月~1月にかけて、北海道や本州の、故郷の川を目指して上って来ます。
なぜ、鮭が故郷の川を間違えずに探しあてられるかと言うことは、いろいろな説が有りますが、母川の匂いに強く反応して、嗅ぎ分けるのではないかと、考えられています。
海では主に、イカや小魚を食糧として、3~4年で体長は70㎝ほどになります。海では銀白色だった鮭は、川に上る頃には体が黒ずんで、薄く紅色が混ざっています。(ちょうど、ブナの木肌に似た模様です。)
さらに、オスの上あごは、カギのように曲がり、脂肪分は減って来ます。川をさかのぼるエネルギーは大変なもので、えん堤ではジャンプし、しぶきをあげて沢をのぼり、この時ヒレばかりか、体中を傷つけながら、最後の力をふりしぼってさかのぼります。
そして、湧水の出る産卵場を探し、川底の石や砂を、尾ビレではじき飛ばして、オス・メスが力を合わせて産卵するのです。
卵が他の鮭に掘り起こされないように、砂をかけて埋め、メスは命が果てるまで、その場所をはなれません。
卵は、受精後60日くらいでふ化し、それから数日間に、川の匂いを記憶すると言われています。
大きな「さいのう」という、栄養分の入った袋をつけた、鮭の赤ちゃんは、それがなくなるころ、ようやく魚らしい姿になります。
小さい頃は、群れになって、昆虫などを食べて育ちますが、5~10cmほどになると、体の色が銀色になり、川を下って海に出ます。
こうして鮭は、また、故郷の川へ戻ってくるまで、長い旅を続けるのです。
鮭の呼び名、鮭は、漁の時期、成熟度の違いから、色々な名前を持っています。
例えば、秋味は、9月頃にとれる鮭の事を言いますが、秋の代表的な味覚の意味が有ります。
トキシラズは、春から夏にかけて、太平洋沿岸の定置網にかかった鮭で、略してトキとも呼ばれています。
成熟度では、海からとれる鮭をギンザケとかギン毛と呼びます。
ギンザケの中でもメジカは、太平洋からオホーツク海、宗谷海峡を通って日本海へ向かう若い鮭を言います。長旅に備えて、脂がのって、鼻が曲がる前なので、鼻と目が近いことからメジカの名前がついています。
それから、川に入った鮭をブナ、産卵期を間近にひかえて、鼻の曲がった鮭をハナマガリ、そして、放卵、放精後の脂の落ちた鮭を、ホッチャレと呼んでます。
このように鮭の名前は、美味しさのバロメーターになっております。